「お気に入りの衣類を長くきれいに保ちたい」―そんな想いを叶えるには、クリーニング店の上手な活用だけでなく、利用者としてのちょっとしたマナーや知識も大切です。ここでは、クリーニング店に出す前のポイントやお店の選び方、そして持ち帰った後の保管方法をご紹介します。
1.クリーニングに出す前に
利用者としてのマナーとルール
クリーニング店は「汚れを落とすプロ」ですが、大切な衣類をより気持ちよく仕上げてもらうためには、利用者側にも最低限の配慮が必要です。以下のポイントを押さえて、トラブルを防ぎ、スムーズにクリーニングを依頼しましょう。
1-1.ポケットの中を確認
- 背広やジャケット、ズボン、ワイシャツなどのポケットは要チェック
小銭やレシートなどが入ったまま出すと、洗濯機の故障や衣類へのダメージにつながることも。クリーニング店に出す前に必ずポケットの中身を空にしましょう。
1-2.シミは種類と場所を伝える
- シミの場所に糸やシールで印をつける
いつ・何が原因でシミになったか、応急処置をしたかどうかを詳しく伝えると、シミ抜きの成功率が上がります。 - 時間が経ったシミほど落ちにくい
放置していると繊維に色素が定着してしまう場合も。早めの相談が大切です。
1-3.上下服は一緒に出す
- スーツやセットアップはまとめて
上下で色や風合いが変わらないよう、同時にクリーニングに出すのが理想。ベルトやスカーフなど、共布の付属品も忘れずにそろえて出しましょう。
1-4.大切な付属品ははずす
- 高価なボタンや特殊な飾りは取り外す
取れそうなボタンも付け直すか、念のために外しておくと安全です。付属品の紛失を防ぎ、クリーニング店とのトラブルも避けられます。
1-5.ほころびは処理をしてから
- ほつれや破れをそのままにしない
クリーニング時の機械力でダメージが広がることがあります。ほころびが見つかったら、縫い直しなどの応急処置をしてから出しましょう。
1-6.品質表示タグは外さない
- 品質表示は法律で義務付けられている情報
取り扱い絵表示や繊維の特徴が記載されたタグがないと、正確なクリーニング方法がわからず、仕上がりに影響が出る可能性もあります。外さずにそのままにしておきましょう。
2.クリーニング店の上手な選び方
大切な衣類を預けるクリーニング店は、価格や立地だけでなく、サービス内容や技術力もしっかり見極めたいところ。以下のポイントを参考に、ご自身に合った信頼できるお店を見つけましょう。
POINT❶ 通いやすい店を選ぼう
- 営業時間や受け取り方法の確認
お仕事帰りや買い物ついでなど、通いやすい立地・時間帯のお店だと継続的に利用しやすくなります。早朝や夜間受付、宅配サービスを行っているところも。 - 仕上がり日数もチェック
早く仕上げてほしい場合は即日対応などを行っている店も検討してみましょう。
POINT❷ 専門技術の店を選ぼう
- 取り扱い品目の幅広さ
布団やカーテン、着物など特殊な衣類にも対応できるお店は、技術力が高い証拠。 - シミ抜きや汗抜き、防水加工などのオプション
お気に入りの衣類を長持ちさせるために必要なケアメニューがそろっていると安心です。
POINT❸ 接客のいい店を選ぼう
- 清潔感のある店舗・丁寧な対応
店舗が清潔でスタッフの応対が良いと、細かい要望も気軽に相談しやすいもの。 - お客様の情報を正しく工場へ伝えてくれる
シミや仕上がりの希望など、細部まできちんと伝達してくれるお店は仕上がりにも満足度が高いです。
POINT❹ 信頼できる店と付き合おう
- LDマークとSマーク
- LDマーク:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会に加入しているクリーニング店が掲示
- Sマーク:厚生労働大臣が認可した「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業
これらのマークがあるお店は、業界の基準をクリアしたプロの洗い技術と質の高いサービスを提供しています。
3.クリーニングから持ち帰ったら
正しい保管方法
四季のある日本では、季節ごとに衣替えをする機会が多くなります。次のシーズンに気持ちよく着られるよう、クリーニング後の保管をしっかり行いましょう。
3-1.ビニール袋から出す
- ビニール袋は保管用ではない
クリーニング店が使用しているビニール袋はほこり除けや持ち運び用です。自宅に持ち帰ったらすぐに外し、風通しのよい場所で乾燥させましょう。 - カビやガス変色を防ぐために
合成皮革や透湿防水加工素材、中綿入りの衣類は特に通気性が重要。湿気を溜め込むと変色やカビの原因になります。
3-2.汚れ・シミのチェック
- 仕上がり直後に確認する習慣を
シミが落ちているか、破損がないか、ボタンやベルトなどの付属品が揃っているかなどをチェックしましょう。 - トラブルや再依頼は早めに
日数が経ってからでは、再処理に対応できない場合があります。気になる点は早めにクリーニング店に連絡しましょう。
3-3.収納時のひと工夫
- 防虫剤や除湿剤を活用
衣類カバーは通気性の良い不織布などを選び、湿気の多い季節は除湿剤を併用するなど、衣類が快適に過ごせる環境を作りましょう。 - しまい方も工夫
ハンガーに掛ける場合は、肩幅が合ったものを使用し、肩の型崩れを防ぐように。たたむ場合は、アイテムごとに適切なたたみ方を覚えておくとシワになりにくく便利です。
まとめ
- 出す前の下準備:ポケットの確認、シミの種類や場所の報告、ほころびの修繕など、ひと手間がクリーニングの仕上がりを左右します。
- お店選び:通いやすさ・技術力・接客・安心のマークなど、多角的に見て信頼できるお店を選ぶことが重要。
- 持ち帰った後の保管:ビニール袋から外して乾燥・チェック。収納方法や環境にも気を配り、衣類を長持ちさせましょう。